有馬で一番高価な浴衣を使用
2020年10月03日
高いものが良いとは限りません。しかしちゃんとしたものを提供しようとすると結果的に高くなってしまう事もあります。そしてちゃんとしたものを提供したとしても、すべてのお客様に喜んで頂けるとは限りません。その様なものの一つに御所坊で提供している浴衣があります。
浴衣は平安時代には湯帷子(ゆかたびら)と呼ばれ、上流階級の人々が入浴時に使用していました。
江戸時代になると一般庶民が着るほどにまで普及しました。
浴衣は伝統的に注染という方法で白い木綿の生地を藍色に染めて作ります。
木綿は綿の種子から取れる繊維で日本には799年に伝わりましたが、当初は明や朝鮮から輸入される高級品でした。江戸時代に栽培が普及したので木綿の浴衣が広まったと思います。
御所坊では伝統的な木綿の藍染めの浴衣をご提供しています。
しかし、御所坊の浴衣は色は剥げるし、糊も効きにくい。縮むし、クリーニングから返ってきたら破れていたという事も多々あります。
それでお客様からお叱りを受ける事もあります。さらに浴衣の製作費やリネンコストは、少なくとも有馬温泉の何処の旅館よりも高いのです。
しかし、湯上りに肌触りの良い本物の浴衣を着て頂きたいという思いでご提供しています。
そして、本物の浴衣の価値を知って頂く為の一つとして、浴衣の古典的な使い方を試みる事にしました。
婦人会の方々にお願いして、古い浴衣で昔の様に布巾をつくってもらおうと考えています。